東海道旅日記 下りの記【15】 10月10日 『徳川義直』 

2021-8-6 UP

「上りの記」では、当時21歳の徳川義直に手厚いもてなしを受けた様子が日記に記されていました。この21年後の「下りの記」でも義直公の名が登場しています。1600年生まれの義直公は名古屋城の完成の際に御母堂と共に城に入り、御三家尾張徳川家の初代となります。

父家康公の遺徳を偲び、儒教を奨励し、名君とうたわれていました。家康の孫にあたる年の差四歳の家光とは時折、衝突したようです。この「下りの記」では義直公の母が一年前に亡くなり、江戸から帰り法要を済ませ、その喪に服していることが、宿の主から語られています。