東海道旅日記「下りの記」 関宿

2021-5-28 UP

関の里に到着した際には、供の者の歌として

風邪の咳と関の里のせき、

亀山の里と鼻をかめとをかけて、

風ふけば みなかち人はせきいでて

ゆくゆく鼻を 亀山のさと

と狂歌を詠んで笑い興じたとあり、

旅情をなぐさめています。

早朝に水口の宿から出発し、

約41キロ弱の道のりを進み、庄野の里に到着。

日の短い頃ですから、なるべく先を急ぐために

足早に進んでいます。

関宿には、参勤交代や伊勢参りの人々で

にぎわった町並みが残されていて、

当時の人々の暮らしが伺えます。

宗翔さん、zoom対談会のお知らせ

2021-5-20 UP

ご機嫌よろしゅうございます。

来週5月26日(水)19時より、以前ご紹介しました
宗翔さんのzoom対談会がいよいよ行われます。

京都妙心寺塔頭 退蔵院副住職
松山大耕師がインタビュアーを務める、
Zoom対談会に宗翔さんが登壇します。
対談では
予約の際に募集した質問の中から、
松山師が選びとってお話を進めていきます。
禅について、茶の湯について、
日頃聞いてみたいことをこの機会に是非質問してみてください。

詳細・御予約はこちら
www.myoshinji.or.jp/tokyo-zen-center/10

江月和尚の偈文

2021-5-7 UP

まだ日も昇らぬうちから宿を発ち、
鈴鹿山で休憩する遠州公一行。
この日の日記では、出発の際にいただいた
江月和尚の手紙を読み、
その心遣いに涙を流す遠州公の様子が記されています。
長い旅路へ向かう遠州公を気遣った江月和尚が送った偈文

莫忘風流旧同友 花時洛下約遭逢
(わするなかれふうりゅうきゅうどうゆう
 はなのときらっかにそうほうをやくす)
には、風流の心を一日としてわすれることなく、
今日まで生きながらえてきた私たちであるから、
また必ず桜の花が咲くような風流の時には、
また京都で逢うことができるでしょう。
お互いに元気でその時を楽しみにしています。
という意味が込められています。

この時江月和尚69歳、遠州公64歳。
当時60歳を超えることは大変な長寿であったので
生涯の友ともいえる二人の交友の深さが
この偈文からも偲ばれます。
遠州公も鈴鹿の神前で、また来年の桜の咲く頃、
お目にかかりたいと願います。
玉の緒(命)の少しでも長からんことを
祈るばかりです。と歌を贈ります。
残念ながら、遠州公が江戸に出府している
翌年の11月1日に70歳で入寂される江月和尚。
再び会うことは叶いませんでした。