10月 19日(月)天高く…

2015-10-19 UP

10月 19日(月)天高く…

ご機嫌よろしゅうございます。

秋は食欲の秋、読書の秋と言われるように
気候が穏やかで、なにをするにも
気持ち良く過ごせますね。
そんなお天気がよい日が続く、過ごしやすい
秋の季節に使われる言葉に

天高く馬肥ゆる秋

という言葉があります。
気候が穏やかで食欲も湧いてくる
馬もよく草を食み、大きく成長する…

という意味で使われていることが
多いかもしれません。
緑の広がる草原で馬がのんびりとして過ごす
のどかな風景を思い描けそうですが、
実はこの言葉、中国において
「秋になると馬が育って騎馬民族が
攻め入ってくるから用心する時季であり警戒せよ」
というのが本来の意味なのだそうです。

9月28日 (月)中秋の名月

2015-9-28 UP

9月28日 (月)中秋の名月

ご機嫌よろしゅうございます。

昨晩は中秋の名月でした。
皆さんはご覧になりましたか?

この中秋の名月に当たる日
駒迎えという行事が、昔から行われていました。

宮廷用の馬を育てるための牧場(勅旨牧)から
毎年八月に馬が献じられ、紫宸殿の前で天皇が
ご覧になる「駒牽き」(こまひき)という儀式がありました。
この馬を馬寮(めりょう)の官人が
東国の玄関口である逢坂の関まで迎えに行きます。
これが「駒迎(こまむかえ)」です

逢坂(相坂)の関の清水に影みえて
いまや牽くらん望月の駒

『拾遺和歌集』

という紀貫之の詠んだ歌があります。
「影」と毛「(かげ)(馬の毛色)」、
「望月(満月)」と「望月の牧の駒」を掛けていて

満月の影が映る逢坂の関の清水
同じく影を映すように姿を見せて、信濃・望月から
出てきた馬を今まさに牽いているであろう。

という意味の和歌で、駒迎えの光景を描いた屏風絵に
賛として詠まれました。

5月 11日 (月) 初音(はつね)

2015-5-11 UP

5月 11日 (月) 初音(はつね)

きくたびに めづらしければ ほととぎす

いつも初音の 心地こそすれ

ご機嫌よろしゅうございます。
初夏の日差しの感じられる清々しい季節
となりました。
この頃、眩い青葉の間からほととぎすの
かわいい鳴き声が聞こえてきます。

ほととぎすは夏に飛来するため、
夏の訪れを知らせる鳥として平安時代から
愛され、その季節に初めて鳴く初音を聞く
ことが流行したそうです。

冒頭の和歌はその初音のように、いつ聞いても珍しく嬉しい
香りがするという意味の遠州公の歌です。
香は香りを聞くと表現します。

遠州公が所持した名香の中に、この「初音」の
銘を持ち、一木四銘といわれ特に有名な
香木があります。

長崎から南方に一本の香木が送られてきた折、
その香木を求めて伊達政宗・細川三斎・稲葉美濃守
そして遠州公が使者を送り、争奪戦となります。
香木そのものが貴重であった当時、非常に高価であったことも
あって四家の共同入札とすることに…。
長崎奉行の立会いのもと、四家の使者が四つに
分けられた香木をくじで取り分け、
細川家は白菊、小堀家は初音、稲葉家は藤袴、
伊達家では芝舟、とそれぞれに歌銘がつきました。

場所によって香りにも差がありますが、焚いてみないと
わかりません。後に伊達家の芝舟がやや劣ることが
わかり、この使者が主へ申訳に切腹して果てたという逸話が残っています

立冬

2014-11-7 UP

11月 7日 立冬

ご機嫌よろしゅうございます。

日毎朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。
あたりを見渡すと景色もすっかり変わって
きたのではないかと思います。

今日は二十四節気の立冬にあたります。

霜降から数えて15日目頃を指し、
「冬が立つ」、つまり冬の始まりを意味します。
いよいよ冬の到来です。今日から来年の立春までが
暦の上での冬となります。

気圧配置は西高東低の冬型となる日が増えて行き
木枯らし1号や初雪の便りも聞こえ始めます。

霜降(そうこう)

2014-10-23 UP

10月 23日 霜降(そうこう)

ご機嫌よろしゅうございます。

寒露から数えて約15日。
二十四節気でいう「霜降」にあたります。

朝晩の冷え込みが日に日に厳しくなり、
肌寒さが感じられます。

木々もその変化を感じて赤く色づき始める頃。

霜は、空気中の水蒸気が水になることなく、
水蒸気からいきなり氷の結晶に昇華して出来る現象
だそうです。

家の中でもそろそろ暖房器具や防寒具の用意を
はじめる頃でしょうか。

送り火

2014-7-16 UP

7月 16日 送り火

ご機嫌よろしゅうございます。

ご先祖様が13日にいらっしゃり、
16日(15日ののところも)送り火の煙とともに、
お帰りになります。

送り火と迎え火は玄関先で、焙烙の皿の上で
オガラや松の割り木などを乗せて燃やします。

オガラは麻の皮をはいだあとに残る芯の部分のことで
麻は古来から清浄な植物として考えられてきました。
悪いものを祓い清め、また燃やすことで
清浄な空間を作り出すという意味が込められて
いるといいます。

毎年8月16日に行われる京都・五山の送り火
(大文字焼き)もお盆の送り火です。

玉柏(たまがしわ)

2014-6-23 UP

6月 23日 玉柏(たまがしわ)

雨中木繁といふ心を

玉柏しげりにけりな五月雨に葉守の神のしめはふるまで

新古今和歌集

みごとな柏の木は、降りつづく梅雨に、
繁りに繁ったものだ。葉を守る神が、
結界を張ったかのように見えるまで。

「玉」は美称で、玉柏は立派な柏の木という意味
葉守(はもり)の神は柏の木に宿るとされています。

そんな柏の木に宿った葉守りの神が
まるで、柏を包み込んで守っているかのように
しとしとと降る雨で一層青さを増している
様子が思い浮かびます。

入梅(にゅうばい)

2014-6-11 UP

6月11日 入梅(にゅうばい)

ご機嫌よろしゅうございます。
きょうは雑節の入梅にあたります。

暦の上での梅雨(つゆ)入りの日です。
梅の実が、 雨季にに入る頃ということから
入梅と呼ばれるようになったとか
この頃は湿度が高く黴〔かび〕が生えやすいため
「黴雨(ばいう)」が転じて梅雨(ばいう)
になったなどといわれています。

実際の梅雨入りとは異なりますが、
暦の上ではこの日から約30日間が梅雨の期間ということになります。
他の雑節同様、気象情報の発達していない時代、
田植えなどの農作業の目安として定められました。

古く「入梅」は、芒種の後の最初の壬(みずのえ)の日です。
陰陽五行説では「壬」は水の気の強い性格とされており、
水と縁がある日ということで、入梅の時期の目安に選ばれました。
明治以後は6月11日頃になります。

この梅雨の頃に獲れる真いわしのことを、
「入梅いわし」(にゅうばいいわし)と呼び、
1年の中で一番脂が乗って美味しいとされています。

芒種(ぼうしゅ)

2014-6-6 UP

6月6日 芒種(ぼうしゅ)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は24節気の芒種にあたります。

小満から数えて15日目頃になります。

稲や麦のような芒(のぎ)のある穀物穂の出る穀物の
種をまく季節ということから、芒種と言われています。
実際にはもう少し早く種を撒くようです。

芒は、イネ科の植物の花についている針のような突起のことで
禾とも書きます。

天目茶碗には禾目とよばれるものがあり、
茶色や銀色の細かい縦筋が無数に見られます
これを日本では穂先の禾に見立て、
この種の釉薬がかかった天目茶碗を禾目天目と呼んでいます。

2014-6-4 UP

6月 4日 鮎(あゆ)

ご機嫌よろしゅうございます。

この時期の旬の食材といえば
6月1日に釣りが解禁される鮎が思い浮かびます。

11月から5月は資源保護のため禁漁となっており
釣り人が待ちにまった鮎釣り解禁日に
釣り糸を垂らす姿は、この季節の風物詩でもあります。

鮎は一年で一生を終える一年魚で、
別名を「香魚」と言うように、独特の芳香を持つ鮎は、
水質が良い河川ではスイカの香り、水質が悪い場合は
キュウリの香りに変わるといわれています。

春先に海から川へ上りますが、
琵琶湖の鮎は琵琶湖を海の代わりとして生息し、
海水で生きることが出来ない性質に変化しているのだそうです。

塩焼きにして蓼酢(たです)でいただくのが
シンプルで一番美味しい鮎の頂き方です。