9月 9日 (水)遠州流茶道の点法

2015-9-9 UP

9月  9日 (水)遠州流茶道の点法
「中置(なかおき)」

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は九月九日、重陽の節句です。
宗家道場では着せ綿が床の間に飾られ
長寿を祝う設えを楽しみながらお稽古が
行われています。
そして少々早めですが今月から中置のお稽古が
始まります。

通常の位置より道具畳の中央に寄せて
風炉を置きます。
当流では、小間・広間どちらでも点法します。
尚この中置には二通りの点法があります。

一つは先月ご紹介した大板の上に小さい風炉・釜を
載せ、盛夏に行います。柄杓を勝手付に置きます。
こちらは四畳半切りでのみ行われるものです。

もう一つは名残の季節に大きな鉄の風炉を織部焼
などの敷瓦に載せて、水指を常とは逆に勝手付に
ニ・三目よせて点法します。
こちらはお客様に火を近く、水を遠くという
考えから生まれたと思われます。

いずれの点法でも、中置の場合には点前座が
狭くなることもあり、合柄杓といって
風炉の柄杓より柄が短いものを用います。

8月 12日(水)遠州流茶道の点法

2015-8-12 UP

8月 12日(水)遠州流茶道の点法
「台子について」

ご機嫌よろしゅうございます。

先週は台子の歴史についてご紹介しました。

現在通常のお稽古で行う点法はこの台子点法
を草体化したものといえます。

貴人へのお点法として行われ、
現在では神仏などへ献茶を行う際などに
この台子を用いて点法をします。
お家元は息がお茶にかからないよう
「へだて」をし、最も式正な形で献茶を行っています。
神社仏閣での献茶式や、遠州忌、許状式で
その点法を拝見したことがある方も多いでしょう。

遠州流茶道でも通常のお点法とは別に
台子特別稽古で、通常のお稽古で習った
薄茶から唐物の盆点までを台子で稽古します。
何年もお稽古をしていく中で、身についてしまった
くせや忘れてしまっていたことなどを
この台子の稽古を行うことで、改めて見直し
点法の乱れを直すことができます。

6月 24日(水)遠州流茶道の点法

2015-6-24 UP

6月 24日(水)遠州流茶道の点法
「名水点(めいすいだて)」

ご機嫌よろしゅうございます。

梅雨があけるといよいよ夏本番。
暑さも厳しくなってきますね。

今日は通常のお稽古としては
あまり致しませんが、
お招きを受けた時に役立つ心得として
知っておきたい、「名水点」についてご紹介します。

いわゆる名水と呼ばれる水を用意した際
名水点というお点法でお茶をお点することがあります。

おいしいお茶を点てるためには、
おいしい水が必要。
昔から名水と名高い水が茶の湯のために求められ、
使われてきました。
京都では盆地という地形故に地下水も豊富で
醒ヶ井など有名な名水がいくつも存在しました。

大体夏に行われることが多いお点法で
その際には水指に葉蓋をして、名水点ということが
最初からわかるようにします。

お客様は心得として、お茶をいただいた後
「今一服如何ですか?」
と尋ねられたら
「お茶は十分頂戴しました。
お白湯をお願い致します。」
と、お白湯を所望します。

せっかくご用意いただいた名水ですので
そちらをいただくことが、お客様の礼儀というわけです。

6月17日(水)遠州流茶道の点法

2015-6-17 UP

6月17日(水)遠州流茶道の点法
「茶碗披き(ちゃわんびらき)」

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は茶碗披きについてご紹介致します。
亭主が拝領した茶碗や名物茶碗を手に入れ
初めてお客様に茶碗をお披露目する際に
されるお点法がこの「茶碗披き」です。

通常の点法では、茶碗は他の道具に比べ
拝見にだす機会が少ないかと思います。
このお点法での主役は茶碗ですので、
通常とは逆に、席入りの時から予め茶碗を飾り付けて
茶入を持ち出して点法を始めます。

また通常の濃茶の点法の最中であっても、
お客様から所望があれば、途中から
「茶碗披き」の仕舞いにしていき、
自分で茶碗を清め拝見に出すことが出来ます。
その場合は水屋に下がった際に、
仕舞い込み茶碗を用意し、茶道口に置きます。

風炉の場合は、席入り前の柄杓の飾り付けも特殊で
華やかな印象のお点法です。