静岡 十団子

2019-12-16

宇津谷峠に差し掛かったところ、ここの名物「たうだんご」に出合います。
さては唐の秘法で作られた珍しい餅かと思った遠州でしたが、正解は十づつすくうので「十団子」。
試しにやってみさせると見事ひょいひょいっと面白いように十づつすくって碗のなかに入れていきます。
この「十団子」、室町時代の連歌師・宗長の綴った『宗長手記』にも登場しているので室町時代からあったようです。
「折節夕立して宇津の山に雨やどり。此茶屋むかしよりの名物十だんごといふ、一杓子に十づゝ。かならずめらうなどにすくはせ興じて。夜に入て着府」(大永4年(1524)6月16日)
地元の鬼退治の伝承などとも関係して、江戸時代をすぎると、糸でつないだ形に変化して売られるようになっていったようです。
十団子

十団子②

9月26日 原文

2019-12-14

さもあらむかし そこをゆき過て うつの山に
いたりぬ 此里を見れば しろきもちの 
霰のごとくなるを器に入て 是めせと
いふ とへば たうだむごとて此里の名物
也といふ さてはもろこしより渡たる餅に
やあむなるといふ さにはあらず 
十づつしゃくふによりて とをだむごとい
ふ也とかたる さらばすくはせよといへば 
あるじの女房 手づから いひかいとりて
心のままにすくふ これになぐさみて 
暮にけれども うつの山にかかる もとより
つたかえではしげりて と ある所なれば 
いとくらふ道もほそきに うつつともわきま
へ侍らず 
  さらでだに 夢のうき世の 
旅の道を うつつともなきうつの山こえ
ゆくえは岡辺の里に着 一宿 其夜は 岡辺
の松風に夢をおどろかし 明れば 

11月 18日(水)遠州流茶道の点法

2015-11-18

11月  18日(水)遠州流茶道の点法
「茶事を自分なりに」

ご機嫌よろしゅうございます。

気のおけない友人知人、普段お世話になっている方を
お招きして行う茶事は、とても楽しいものです。
しかし、難しい決まりごとや固定観念に囚われ
茶事は茶室で、立派で道具ななければならないと
自分には縁がないと思っていらっしゃいませんか?
確かに正式な茶事を経験することは、
その茶事本来の意味を知るうえでも貴重な経験ですが、
お茶事を行う一番の目的は、大切な方をおもてなし
すること。その心があれば、
たとえ茶室や高価な道具がなくとも、
工夫次第で自分なりの茶事ができるはず。
そしてお客様と亭主として、
ご自分が普段お稽古で学ばれていることを
大いに生かして、自分ならではのお茶事をしてみては
いかがでしょうか?

11月 11日(水)遠州流茶道の点法

2015-11-11

11月 11日(水)遠州流茶道の点法
「茶事について」

ご機嫌よろしゅうございます。

今日から茶の湯の正式な形である茶事について
お話ししていきたいと思います。

茶の湯は禅院寺院で行われていたしきたり、
風習が入っているもので、それは通常の点法の
中にも様々な所作に見受けられます。
そして禅宗でもお客様をもてなす方法として
お茶を点ててしばらく休んでお食事を
お出ししたり、逆にお食事をお出ししてから
お茶を差し上げるといった形式があります。
そのような禅院のおもてなしの心が茶の湯に
結びついてお茶事という形になっていきました。

そのうちのお茶を点てる部分、お点法を日々の
お稽古で行っているわけで、つまり普段お稽古
している点法は、この茶事の一部分を切り取って
いることになります。
そういったことからも茶の湯の醍醐味は
お茶事ということになります。

季節や時の流れ、また人生の節目に際して行われる
様々な意味合いの茶事があり、
また相伴するお客様によっても
どれ一つ同じく茶事というものはなく、毎回毎回
違った形になるものです。

10月 28日(水) 遠州流茶道の点法

2015-10-28

10月 28日(水) 遠州流茶道の点法
「無盆唐物点(むぼんからものだて)」

ご機嫌よろしゅうございます。

遠州流茶道では名物の茶入でも肩衝のものは
盆にのせて点法しないことはご紹介しました。
その唐物の点法についてご紹介します。
まず漢作と唐物という語について事典を見てみましょう。

漢作
中国産茶入のうち年代古く上作な類をいい、
単なる唐物と分けている。
いずれも古来重宝され大名物に属している。

唐物
中国茶入の総称
唐物を初代藤四郎が中国から土と薬を持ち帰り焼いたもの
と『古今名物類聚』では定義するが、
その分別は判然としない。…
漢作は宋代を中心とする中国産で、唐物もやや時代は
下るが中国産との見解が強い。…
「角川茶道大辞典」

「漢作唐物」と「唐物」の分類は曖昧で、
その分類は伝来に依っています。

遠州流では無盆唐物と点いう点法があります。
盆を使用しない肩衝の唐物点の際は、
その格調にあった格の高い道具組がされます。

これまでご紹介した天目、相伴付がこの点法に加わると
台天目(袋天目)無盆唐物相伴付
という非常に長くて難しそうなお点法になります。

10月 21日(水)遠州流茶道の点法

2015-10-21

10月 21日(水)遠州流茶道の点法
「中興名物(ちゅうこうめいぶつ)」

ご機嫌よろしゅうございます。

先週に引き続き今日は盆点の中興名物について
お話しします。

中興名物は先週ご紹介しました松平不昧の
『古今名物類聚』に
不昧が大名物以後の名物を選定した
遠州公に由来する名物茶入を鑑別して
中興名物茶入を定めています。

大名物と中興名物の点法での違いは、
盆の扱いに見ることができます。
点法のはじめや、拝見に出す際に
お盆の表・裏の清め方が異なります。
さらに中興名物では茶入を乗せたまま
盆を扱うことが多くありますが、
大名物では必ず盆から外して扱います。

10月 7日(水) 遠州流茶道の点法

2015-10-7

10月 7日(水) 遠州流茶道の点法
「盆点について」

ご機嫌よろしゅうございます。

今週から盆点の点法と茶入ついてご紹介します。

遠州流茶道の盆点は、
丸壺・文琳・茄子・鶴首などの茶入を用い、
それぞれに大名物と中興名物の扱いの二種類があります。
また方盆と丸盆の扱いにより、清め方の違いがあります。

名物で盆が添っていても肩衝茶入は盆にのせて
の点法はしません。
肩衝は盆に載せると不安定なため
初入、台目棚などに飾り付けの際は仕覆に入れたまま盆にのせ、
点法の際には盆を外して扱うか、両名物の点法で、
予め茶碗に仕込んで点法します。
この点法については以前ご紹介しました。
基本的に名物の茶入は常に両手扱いです。
また茶道点(さどうだて)といわれる、
左手を、茶入を持った右手に添える扱いをします。

9月 30日 (水) 遠州流茶道の点法

2015-9-30

9 30 (水) 遠州流茶道の点法
「相伴(しょうばん)」

ご機嫌よろしゅうございます。

お茶を頂く際の挨拶で、正客以外の客は
「お相伴させていただきます。」
と挨拶します。
「一緒に頂戴します。」といった意味合いで
使われますが、このお相伴という言葉はもともと
禅僧の常の規則をまとめた、現存最古の清規である
「禅苑清規」から出た言葉で、主の伴をするという
意味からでており、茶の湯では正客以外のものを、
相伴といいます。

また、貴人に相伴の人が同席した場合、
貴人に天目で点てた後、普通の茶碗を持ち出し
相伴の人に飲み回しで点てます。

また、汲み切りといって、湯を汲む時に
過不足ない適量を汲んで茶碗に入れ
釜に湯を戻さないようにします。
これは再び貴人から茶の所望があった場合の為に
相伴用の湯を釜に戻すことは失礼に当たるという
配慮からです。

9月 23日(水) 遠州流茶道の点法

2015-9-23

9月 23日(水) 遠州流茶道の点法
「天目 その2」

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は先週に引き続き、天目についてのお話を。

天目茶碗には、覆輪(ふくりん)の付いたものと
ついていないものがあります。
覆輪とは茶碗の口縁部を補強するために覆う
細い金属製の輪です。この覆輪のあるなしで
茶碗の清め方の扱いも少し変わります。

天目茶碗を天目台にのせて使用し、茶巾は
両辺裁ち切りのものを真にたたみ、
天目用の茶筅を使用します。
また茶杓は牙(げ)の真の茶杓を使用します。

また遠州流茶道では通常お茶の量にあった湯を
一度で入れて点てますが、台天目の場合は貴人に
対するご祝儀の意味で、茶を十分練った後
少し湯を加えます。(加え柄杓)
また亭主は挨拶する際に、通常点法座のまま挨拶しますが、
台天目では一膝貴人の方へ向いて挨拶をします。

そして袋天目点法とは、名物裂などの仕服が
ついている天目茶碗を、その仕服に納めて
天目台にのせて、濃茶を点てる点法です。

相伴のいる場合は別の茶碗で点てます。
この相伴付の点法についてはまた改めてご紹介します。

9月 16日 (水)遠州流茶道の点法

2015-9-16

9月 16日 (水)遠州流茶道の点法
「天目 その(1)」

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は台天目点法についてご紹介します。
この点法は貴人点とも呼ばれる格調高い点法です。
天目台と呼ばれる台に載せ、使用します。

茶の湯の初期、書院式茶礼・台子の茶では全て
天目茶碗でした。
この天目茶碗と天目台は鎌倉時代に中国の天目山
の禅刹に遊学した僧侶が帰国の際に持ち帰ったと
言われています。

他の茶道具が見立てから代用されたものであるのに
対して、天目茶碗は茶を喫する為に作られているため
の道具とも言えます。

遠州公にちなんだものには遠州蔵張所載の
「大名物 油滴天目茶碗」(北村美術館蔵)があります。
この茶碗は、遠州公が寛永十三年(1636)に
将軍の命を受け造営していた品川林中の御茶屋が
完成し、三代将軍家光をお迎えして披露の茶会
を催した折、家光へ献茶するために使用されました。

また遠州公が品川東海寺を始め由緒のあるお寺に
寄進した天目台があり、
その天目台と同じ水仙の蒔絵が施されたものが
遠州忌の際、拝服席で使用されています。