2016-2-1 UP

2月1日(月) 向栄亭の床の間拝見

 

ご機嫌よろしゅうございます。

今日から二月、そして二月の四日は 立春です。

寒さは依然として厳しいですが そろそろ春の気配を感じられる頃になりました。

さて、今日は二月の宗家稽古場の床の間をご紹介します。

床  紅心宗慶宗匠筆 柳緑花紅(やなぎはみどり はなはくれない)

花  加茂本阿弥椿 木五倍子(かもほんなみつばき きぶし)

花入 志戸呂 鶴首

床の間の掛け物の言葉は 中国北宋時代の政治家であり詩人である

蘇東坡(そとうば)の「花紅柳緑真面目」 花は紅(くれない)柳は緑(みどり) 真面目(しんめんもく)

という言葉に由来するものです。

花は紅、柳は緑、このあたりまえのことが、

とりもなおさず真理の実相である

自然のあらゆるものがそのままで 真実を具現しているといっています

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大津馬(おおつうま)

2014-12-30 UP

12月 30日 大津馬(おおつうま)

ご機嫌よろしゅうございます。

宗家の除夜釜では例年、
寄付の床に飾られる掛物があります。

何ゆゑかおもに
おほ津のうまれきて
なれもうき世か我もうきよに

という歌とともに描かれた大津馬。

大津馬とは大津の宿駅で、荷物の運送に使われていた
馬の事をいいます。

12月11日にご紹介した沢庵和尚が配流の前に、
江戸に呼ばれて東下りする途中に
詠んだ和歌といわれており、
その歌意を汲んで、松花堂昭乗が「大津馬」
を描いたとされる絵が、
根津美術館に残っています。
この寄付に掛けられる大津馬はその絵の
宗中公の写しです。

この馬を眺めていると
一年の時の流れと人の一生、
そんなことをふと考えてしまうような気がします。

今年の干支は午(うま)でした。
皆様の今年一年はどんな年でしたでしょうか?
明日はいよいよ大晦日です。