5月 18日 (月) 都忘れ

2015-5-18

5月 18日 (月) 都忘れ

ご機嫌よろしゅうございます。

五月になり、草木も穏やかな季節に
可愛らしい花を次々と咲かせてくれます。

茶の湯の花も風炉の季節には椿から草花へ
その主役をうつします。

春から初夏にかけて、濃紫・紅・白色の小さな花を
咲かせる「都忘れ」も、風炉の季節を彩る茶花の一つです。
キク科の可愛らしい小さな花で
江戸時代から茶花、庭の下草として栽培され、
様々な園芸品種が作られてきました。

しかしこの「都忘れ」
なんだか切ない名前に感じられませんか?

この名は、承久の乱後、佐渡に流された
順徳天皇(1197~1242)が、この花を見て、

いかにして 契りおきけん 白菊を
都忘れと 名付くるも憂し

と詠んだことに由来すると言われています。
小さな菊を御所の周辺に植え、愛でていた順徳天皇。
特に父・後鳥羽上皇が白菊を好んだといわれ、
配流の島で、父帝が愛した白菊に似た花を「都忘れ」
と名付けて愛着することを、いかなる因果の巡り合わせ
であろうと嘆いています。
実際天皇がご覧になったのは、今日私たちが呼ぶ「都忘れ」
とは、実は異なった花だとも言われていますが
よく似た小さく可憐な花であったようです。

在島二十一年、歌道と仏道の中に歳月を過ごし
四十六歳の若さでお亡くなりになります。
都を想う順徳天皇のお心がこの小さな花に込められています。