6月 10日 (金)能と茶の湯

2016-6-10

6月 10日 (金)能と茶の湯
「羽衣」

ご機嫌よろしゅうございます。

先週は「羽衣」のあらすじをご紹介しました。
今日は「羽衣」を銘にもつ志野茶碗をご紹介します。
志野の名碗「羽衣」は

正面に見える強い焦げがあり、
見る者全ての目をひきつけます。
高台は荒々しく、暴れていて特徴的です。
今に伝わる志野茶碗の中でも特に印象的で力強い茶碗です。
志野は桃山時代を代表する美濃焼の一つです。
艾土(もぐさつち)と呼ばれる白い土に長石釉(志野釉)
を厚めにかけて作られます。
釉の下に鬼板と呼ばれる顔料で文様を描き焼成すると
条件によって黒や赤、鼠色、褐色に変化します。

内側に一筆ふわっと引かれた線があり、これを
天に舞う天女の羽衣に見立てられたことからの
銘とされています。

6月3日(金)能と茶の湯

2016-6-3

6月3日(金)能と茶の湯

「羽衣」
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は能の中でも特に人気の高い「羽衣」
をご紹介します。
 
ある朝、三保の松原に住む漁師である白龍は
松の枝に掛かった美しい衣を見つけます。
家宝にするため持ち帰ろうとしたところ、
天女が現れ、その羽衣を返して欲しいと頼みます。
初めは返すつもりのなかった白龍でしたが
天女の嘆く様子を哀れんで、舞を舞ってくれるならば
返そうと言います。
羽衣を返したら、舞を舞わずに帰ってしまうだろう、
と疑う白龍に、天女は
「疑いは人間にあり、天に偽りなきものを」
と返します。この天女の言葉に感動し、
白龍は衣を返します。
 
羽衣を着た天女は、月世界の神秘と美しさ
さらには春の三保の松原を賛美しながら舞い、
やがて富士山へ舞い上がり消えていきました。
 
羽衣伝説は各地に伝わっており
古くは「丹後国風土記」などに見られます。