6月 8日 (月) 太田道灌と蓑傘

2015-6-8

6月 8日 (月) 太田道灌と蓑傘

ご機嫌よろしゅうございます。

梅雨の時期の外出に傘は欠かせません。

そして昔は雨の時、蓑を使用していました。
今日はこの蓑にまつわる太田道灌のお話をご紹介します。

太田道灌は江戸城を造ったことで有名です。
築城の名人で、また歌人としても知られた武将でした。

さて、神田川の桜並木に「面影橋」という橋が架かっており
この面影橋に「山吹の里」という石碑があります。

ある日、鷹狩に出かけた若き道灌が、
にわか雨に遭遇し、村のあばら家で蓑を借りようとしました。
しかし家から出てきた少女は無言のまま、
山吹の一枝を道灌に差し出します。

その意味が分からない道灌は怒って
その場を立ち去りましたが
あとで家臣から

七重八重 花は咲けども山吹の
実の一つだになきぞ悲しき

という後拾遺集の歌に寄せて、少女が
蓑のひとつさえ持てないかなしさを
山吹の枝に託したのだと聞かされます。
自分の無学を恥じた道灌は
それ以降歌道に精進したといわれています。

6月 3日 (水)遠州流茶道の点法

2015-6-3

6月 3日 (水)遠州流茶道の点法
「香所望」

ご機嫌よろしゅうございます。

梅雨の時期、湿気が多くなり過ごしにくく
感じる一方、お香を聞くにはとても
よい環境となります。

今日は通常のお点法の話から離れて
お香についてお話ししたいとおもいます。

最近ではあまり行われることはないようですが
お茶事の際には花所望、炭所望など
お客様に所望をすることがありました。
そのうちの一つに香所望があります。

お香は炭の匂いを消したり、
空気を清浄にするという意味もあり、
炭点法の最中に火中にくべられます。
また香炉を飾る場合もあります。

茶室に入った際、棚に聞き香炉が飾ってあった場合、
お客様は香炉を拝見し、それから香の所望をします。

亭主は自分の香を焚き、その後お客様にも
香を所望するのです。

ですから、本来お茶に招かれた際
所望に応えられるよう、
自分の香を香包みにいれておくのが
茶人の心得でした。

5月25日 (月) 五月雨(さみだれに)に…

2015-5-25

5月25日 (月) 五月雨(さみだれに)に…

星ひとつ 見つけたる夜のうれしさは

月にもまさる 五月雨のそら

ご機嫌よろしゅうございます。

そろそろ雨の多い季節がやってきます。
空を見上げても、ぐずついていることが多く、
なかなかすっきりとした夜空を見ることも
難しくなるのではないでしょうか。

先程の歌は遠州公が茶杓の銘につけた歌です。

節から切止へ降りていった左側に
小さな虫食いがあり、
遠州公はこの虫食いを星に見立てて
この歌銘をつけました。
曇りがちな梅雨の頃の夜空に、星を見つけた
ときの嬉しさ
茶杓の景色としてとても映える虫食いの竹を
見つけた喜びにかけてこの歌銘がつきました。

遠州公の茶杓は煤竹や、虫食いなどを景色にした
瀟洒なつくりのものが多く、見所が多いです。

南風(みなみはえ

2014-6-25

6月 25日 南風(みなみはえ)

ご機嫌よろしゅうございます。
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃です。

この季節吹く風を南風とよんでいます。

太平洋上で発達した高気圧から吹き寄せる季節風
をいい、大漁を約束するといわれる南風。
漁師たちはこの風を心待ちに、海を見つめます。

もともと漁師言葉であったようですが、
俳句の季語にもなっていて
梅雨の黒雲の下で吹く風を黒南風(くろはえ)
梅雨明けの頃吹く南風を、白南風(しろはえ)と言います。
白い風が空に流れて夏の訪れを告げます。

梅雨に入る黒、梅雨が明け盛夏へ向う白と、
同じ南風を明快に言い分け、
季節の変化を感じさせてくれる季語の一つです。

いい塩梅(あんばい)

2014-6-18

6月 18日 いい塩梅(あんばい)

ご機嫌よろしゅうございます。

梅雨の季節は梅のなる頃というお話を
昨日いたしました。

梅といえば
「いい塩梅」という言葉がありますが、
これはお塩とお酢のことです。
塩は人体に不可欠なもの
また食酢が普及する以前は、梅の塩漬けで出来る
梅酢が利用されました。
ここから味加減のことを「塩梅」という言葉が生まれます。
この塩と酢が日本の調味料の原型です。

これに後々醤油やひしおが加わっていきます。
古来、上流階級の料理は、食事とともに調味料が出され
食べる本人が味をつけて食べるスタイルでした。
それが茶の湯において限られた空間の中、
食事をいただくようになってはじめて
(調味料を出せないため)予め味付けをしてお出しする、
現在に通じる調理法と
なったのです。

現在月刊「遠州」に掲載中の宗有公の「数寄記録」
において12ヶ月の献立が記されていますが、ここで

「夫(それ) 会席の献立 趣向 塩梅は
浜の真砂にて 何ぞ極まらむ」

と書かれています。

あじさい

2014-6-12

6月 12日 あじさい

ご機嫌よろしゅうございます。

雨の雫を葉にのせて、しっとりと濡れるあじさいの姿
梅雨時ならではの美しい風景です。

中国では紫陽花
日本では集真藍(あづさあい)、四ひらの花
と表しました。

現在のあじさいとは異なった、古くから日本に自生していた種は
「今井宗久茶の湯抜書」の天正17年に「アヂサイ」
とあります。

寛政元年五月、遠州公が品川林中の茶亭で、
三代将軍家光公に献茶をした際、
家光公が遠州公作の竹の二重切花入に
「アジサイ三リン」を入れた記録も残っています。

ただ使用例としては少ないといえます。
夏の茶会自体がそもそも少ないということも
一因としてあるようですが、
その色彩的、形状的理由あるいは入手のしやすさなどから
茶席に用いられることが少なかったようです。

入梅(にゅうばい)

2014-6-11

6月11日 入梅(にゅうばい)

ご機嫌よろしゅうございます。
きょうは雑節の入梅にあたります。

暦の上での梅雨(つゆ)入りの日です。
梅の実が、 雨季にに入る頃ということから
入梅と呼ばれるようになったとか
この頃は湿度が高く黴〔かび〕が生えやすいため
「黴雨(ばいう)」が転じて梅雨(ばいう)
になったなどといわれています。

実際の梅雨入りとは異なりますが、
暦の上ではこの日から約30日間が梅雨の期間ということになります。
他の雑節同様、気象情報の発達していない時代、
田植えなどの農作業の目安として定められました。

古く「入梅」は、芒種の後の最初の壬(みずのえ)の日です。
陰陽五行説では「壬」は水の気の強い性格とされており、
水と縁がある日ということで、入梅の時期の目安に選ばれました。
明治以後は6月11日頃になります。

この梅雨の頃に獲れる真いわしのことを、
「入梅いわし」(にゅうばいいわし)と呼び、
1年の中で一番脂が乗って美味しいとされています。

小満(しょうまん)

2014-5-21

5月21日 小満(しょうまん)

ご機嫌よろしゅうございます。
本日は24節気の小満にあたります。

立夏ら数えて15日目頃をさし、
この時期を麦秋ともいうように
秋に蒔いた麦の穂がつく頃です。

農耕を生業とした時代には、作物の収穫は生命線です。
今年も順調でよかった。
と満足したことから小満と言う名前が付いたとか
万物が次第に長じて天地に満ち始めることから
小満と言われる
など諸説あるようです。

また、はしり梅雨と言われる雨が降り始めます。
これは本格的な梅雨に入る前の、ぐずつく天候のことで
この後晴れた日が続き、その後本格的な梅雨に入ります。
「梅雨の走り」ともいいます。