春日山

2017-2-17

2月 17日 (金)茶の湯と文様
「春日山」

ご機嫌よろしゅうございます。

春日山は春日大社の背景ともなる山で
春日大社は藤原不比等が、常陸の鹿島の神である
タケミカヅチノミコトを春日大社に迎えたことにはじまり、
その際神を導いたのが白鹿であったことから、
現在でも鹿が神の使いとして大切にされています。

筑前芦屋釜で利休所持と伝わる「春日野釜」があります。
真形鬼面鐶付で、地紋に春日の神鹿が表現されています。
一面に振り向いた牝鹿、それを追うような牡鹿が
鋳だされています。
他にも「春日山釜」など「春日野」や「春日山」が
単に鹿の文様の総称にもなっており、筑前、伊勢、博多の
各釜作地に遺釜をみるといいます。

また根津美術館所蔵の「春日山蒔絵硯箱」は足利義満遺愛の品で、
ゆるやかな山に鹿、月に秋草、紅葉を配したデザインの中には
「盤(は)」「こ・と・に」「け」「連(れ)」の文字が
葦手とよばれる絵画化した文字を潜ませる手法で表され、
「古今和歌集」の壬生忠岑の歌

山里は秋こそことにわひしけれ
鹿の鳴く音に目をさましつつ

を暗示させる、文学的趣向が込められています。

お勅題「野」にちなみ、今年は特に多く取り上げられる文様
でなないでしょうか。