4月 29日(金)能と茶の湯~狂言編~「通円」

2016-4-29

4月 29日(金)能と茶の湯~狂言編~「通円」

ご機嫌よろしゅうございます。

狂言では、話の中に茶の湯が登場するものが

いくつかあります。

今日はそのうちの一つ「通円」を御紹介します。

舞台は宇治ある旅の僧が平等院に参詣します。

無人の茶屋に茶湯が手向けてあるのでいわれを聞くと、

その昔、宇治橋供養の折、通円という人物が

大勢の客に茶を点て続けた挙句息絶えたのだとか。

今日がその命日に当たるのだと語り、

僧にも弔いを勧めます。そこで読経をする中、

通円の亡霊があらわれ自分の最期のありさまを語ります。

「都からの修行者が三百人もおしよせ、

一人残さず茶を飲まそうと奮闘するも、ついに茶碗、

柄杓も打ち割れて、もはやこれまでと平等院の

縁の下に団扇を敷き、辞世の和歌を詠んで死んでしまった。」

そう語り終え、通円は回向を頼んで消えていきます。

 

この通円現在でも宇治橋のたもとに通円茶屋があり、

一服されたことのある方もいらっしゃるのでは

ないかと思います。この通円茶屋の初代通圓は

主君源頼政に仕え、平家の軍と戦いました。

その後頼政が平等院にて討死、通圓もあとを追います。

狂言「通円」は、この頼政と初代通圓の主従関係を

物語った能「頼政」をなぞって大勢の敵をなぎ倒し、

末に滅んでいくていく様子を、何百人もの参詣客を

相手に茶を点て死んでいく通円を描いたものです。