「砧(きぬた)」

2016-10-21

10月 21日 (金)能と茶の湯
「砧(きぬた)」
ご機嫌よろしゅうございます。
晩秋の風が吹き始める頃となりました。
日が落ちるとなんとなく物悲しい気持ちに...。

そんな秋の夜空に寂しく響く
砧の音を扱った能「砧」をご紹介します。

九州芦屋の何某(なにがし)は、
訴訟のため上京し、既に三年の年月が経ちます。
故郷の事が気にかかり、今年の暮れには帰るという文を
侍女の夕霧に待たせて国許に返します。

寂しく月日を送っている妻はこの便りを聞き、
折から聞こえてくる里人の砧を打つ音に誘われ、
夕霧と共に砧を打ち、心を慰めます。
そこへ今年も帰れぬという知らせが都から入り
妻は絶望のあまり亡くなってしまいます。

帰国した何某が故郷に帰り、妻の菩提を弔っていると、
妻の亡霊が現れ、妄執のため地獄の苦しみを
受けていると訴え、夫の不実を恨みますが、
読経の功徳により成仏します。