(ふくべ)の炭斗

2014-11-11 UP

11月 12日 瓢(ふくべ)の炭斗

ご機嫌よろしゅうございます。

炉開きについては先週ご紹介しましたが、
炉開きの炭点法では、瓢(ふくべ)を
炭斗にしたものを使うことがあります。

瓢は夏にもお話しました通り、干瓢を
作る夕顔の実です。
秋の実りの頃にできるの瓢のもののうち、
すわりのよいものを選んで炭斗を作り、炭を入れます。
水分が多いことから、火に対する水の意味も
あり、炉開きの際に使われます。

遠州公の茶会記にも寛永三年の十月十五日
を初めに、瓢の炭斗が度々登場します。

本来はその都度新しいものを作るのですが
近年では肉の部分が薄く、なかなかふさわしいもの
ができません。
そこでご先代の宗慶宗匠は、瓢に漢詩や和歌を
書き付け、後々にも使えるよう工夫をなされました。
無表情だった瓢の炭斗に
雅の心が吹き込まれます。

瓢の炭斗を見ると、いよいよ炉を開けるのだ
と実感できます。
炉開きを彩るお道具の一つです。