遠州公ゆかりの茶陶

2018-5-2

遠州公と志戸呂

ご機嫌よろしゅうございます。
寛永年間(1624-1643)に小堀遠州公が
茶器製作の指導をされ、優れた作品を
つくりだしました。
加藤庄右衛門から名を五郎左衛門に改めた
初代の弟子が五郎左衛門を襲名してその仕事を
担当したようです。しかしながら明らかに
遠州好を類推できる茶入及び茶碗は数が
多いとはいえません。その中で、茶入「初桜」は
いかにも遠州の好みを投影した作品といえます。
志戸呂独特の雰囲気を表す渇釉と濁黄色を交えた釉薬。
そしてすっきりとした肩の稜線と腰の柔らかな曲線。
松平備前守の箱書

宿からや 春の心もいそくらむ

  ほかにまたみぬ 初さくらかな

が記されています。もう一つ、大正名器鑑所載の
「口廣」茶入には

この壷を 何とか人はとうとうみ

  志戸呂もとろの茶入なるらむ

という歌を松平不昧が箱に書付けています。