2014-8-8 UP

8月8日 遠州公と抹茶

ご機嫌よろしゅうございます。
今日はお抹茶のお話を。

抹茶の銘には「~の昔」「~の白」という名前が
よくつけられているのをご存知でしょうか?

遠州公の師匠である古田織部は、
抹茶の色をヨモギ餅の緑色(青)を見てより鮮やかな色にしようと
抹茶を作る際、茶葉を少し茹でることにしました。
これを「青茶」などと呼びます。

こうすることで見た目は綺麗な緑になるのですが、
香りがなくなり味が多少落ちてしまいます。

そこで遠州公は茹でない以前の製法に戻しました。
この製法で出来た抹茶は「青茶」に比べて白っぽいため
「白茶」と呼ばれました。

現在抹茶として製造されているものはこの「白茶」で
昔の製法に戻ったことから「~の昔」「~の白」
という銘がつけられることが多いというわけです

立秋(りっしゅう)

2014-8-7 UP

8月 7日立秋(りっしゅう)

秋きぬと目にはさやかにみえねども
風の音にぞおどろかれぬる

ご機嫌よろしゅうございます。

まだまだ暑さ真っ盛りですが、
暦の上では今日が立秋、秋になります。

先ほどの歌は古今集の秋歌上のはじめに
おかれている藤原敏之の歌です。
詞書には「秋立つ日によめる」とあるように
立秋の日の歌で

秋になった兆しは、まだ目に見えないけれども、
風の音の中にその気配を感じて驚いた
という意味の歌。

当時の人も、立秋の日に同じように感じていたのですね。

立春からちょうど半年が経過したことになり
この立秋から立冬の前日までが秋となります。

暑中見舞いも立秋を境に残暑見舞いに。
暑い夏もあと少しと思って名残を惜しみたいですね。

2014-8-6 UP

8月 6日 解夏

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は「解夏」という言葉について
なんと読むかお分かりになりますか?

正解は「げげ」

夏が解けるとは一体どのような意味でしょう?

これは仏教用語で
夏の一時期、僧達が籠って修行する
安居(あんご)が明ける日
のことを指す言葉です。

迷いの中にいるものが、
迷いを抜けた瞬間にみる
強い夏の光
そんな印象が残ります。

小説「解夏」という題名の小説を
さだまさしが書いています。

2014-8-5 UP

8月5日  虫干し

ご機嫌よろしゅうございます。

梅雨が終わり湿度が下がる7月から8月下旬
しまっておいた着物や書籍、掛物などを
陰干しして虫がついたりカビがつくことを防ぎます。
これを「虫干し」といい、湿気のある日本ならではの
習慣です。

夏の土用の頃にあたることから土用の虫干し
とも言われています。
秋の虫干しは十月下旬から十一月下旬が一般的なようです。

整理も兼ねてと手をつけてみると
しまいこんで忘れてしまっていたものを
思いがけず見つけ、こんなものもあったか
としばし読みふけってしまうこともありませんか?

虫干しはよく晴れた日の午前十時から午後二時
くらいまでに行うのが良いようです。
皆さんも是非なさってみて下さい。

権十郎篷雪命日

2014-8-4 UP

8月4日 権十郎篷雪命日

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は権十郎篷雪の命日です。
寛永二年(1625)遠州公の次男として生まれ、
後に小堀を改めて小堀家と所縁の深い浅井姓を称し、
権十郎篷雪と称しました。

兄の大膳宗慶とは5歳離れた弟になります。
正保四年(1647)遠州公が没すると、
父の遺領のうち近江国浅井郡の千石を分地されました。

茶会でもよく名を目にする通り、
道具の目利きに優れていたので、その鑑定眼にかなった
道具の箱書が多く伝来しています。

元禄七年(1694)8月4日江戸でなくなります。
70歳でした。

明智光秀(あけちみつひで)

2014-8-3 UP

8月3日 明智光秀(あけちみつひで)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は日曜となりましたので
官兵衛の時代のお話しを。

主君信長に反逆する裏切り者としての
一面が目立つ光秀ですが、文武両道で
和歌・茶道の嗜みも深い文化人でした。

天正十年(1582)
6月に本能寺の変の起こる年ですが、
この年の正月7日の朝、
光秀は山上宗二と津田宗及を招き、
茶会を開いています。

床の間には信長直筆の掛物
通常床の間に掛ける掛物は墨跡や唐絵、古歌など
を掛けることが一般的でした。

主君の筆による掛物を飾り、恩恵に感謝していた
ように感じられます。
この数ヶ月後、その主君を討つことになるとは
当時の光秀は思いもよらなかったのではないでしょうか。

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ねぶた

2014-8-2 UP

8月2日 ねぶた

ご機嫌よろしゅうございます。
この時期、青森では有名な「ねぶた祭り」が
行われます。

このねぶたの由来は諸説あるようで
もともとは酷暑でたまった疲れや眠けを、
秋の農繁期の前に水に流そうという
「眠り流し」の行事だとされています。
これに七夕祭りの灯籠流し、送り火の要素が加わって
現在の形につながったようです。

歴史上の人物をかたどった巨大な張り子の
中に灯りをともし、笛や太鼓の音と共に練り歩く
姿は迫力満点です。

賑やかな練り歩きと張り子の灯りも、もとは眠けを
飛ばすためのもの。
その狙い通り、夜の静けさを吹き飛ばす人々の熱気が
今年も祭りを包みます。

ねぷた(弘前)についてはまた改めてお話したいと思います。

八朔(はっさく)

2014-8-1 UP

8月1日  八朔(はっさく)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日から8月。
8月は「葉月」とも言われ、
木の葉が紅葉して落ちる月ということから
「葉落ち月」「葉月」となったという説があります。

また8月1日には
昔から農家では早稲の穂を恩人に贈って
「田実(たのむ)の祝い」といわれる
豊作祈願を行いました。
お世話になった人に贈り物をし、
よろしく「たのむ」日とされ、この風習は
後に武家にも伝わりました。

またこの8月1日に秀吉により関八州を与えられた
徳川家康が江戸入城の日でもあり、後に江戸幕府の
大事な式日、八朔御祝儀の日となりました。

この話はまた後日改めてお話したいと思います。

2014-7-31 UP

7月 31日 年寄りの冷や水

ご機嫌よろしゅうございます。

真夏のうだうような暑さには、
冷たく冷やした飲み物や
食べ物が美味しく感じられますね。
でも冷たいものばかり食べていると、
体を冷やしてしまうことはよく言われています。

お年寄が自分の身体の状態を考えずに
無理をするのを注意する言葉を
「年寄りの冷や水」と言ったりします。

水が今ほど満足に使えなかった江戸時代
生水は毒とされ、必ず沸かして利用されていましたが
河の真ん中の水は毒が無いと言う迷信が有り、
夏の暑い時期は隅田川から汲んできた水を
「冷や水」と言って飲料水として氷を浮かべたりして
売り歩いていました。
しかし、街中を流れてる川の水ですから、抵抗力の
弱い高齢の方はお腹を壊してしまいます。
ここからさきほどのことわざが生まれたといわれています。

とはいえ年齢に関わらず
冷たいものの食べ過ぎ飲み過ぎは要注意です。

つりしのぶ

2014-7-30 UP

7月30日 つりしのぶ

ご機嫌よろしゅうございます。
皆さんは「つりしのぶ」をご存知でしょうか?

釣りしのぶは、山苔を巻きつけた上に
シノブと呼ばれる根茎を巻き付けて、
さまざまな形に仕立てたもので、
これを軒先に吊るして、眺めることで涼をとります。

シノブは山地に育つシダで、乾燥にも強く、
水がなくても「耐え忍ぶ」という意味から
シノブという名がついたとされています。

このつりしのぶは、江戸の中期に
庭師がお得意様へのお中元用に作り始めたもので
江戸の手狭な長屋などでも気軽に楽しめるので
庶民に人気がでて
明治から昭和初期にかけて一般にも広まりました。