2月28日 利休命日
天正十九年(1591年)の今日2月28日
茶の湯の大成者
千利休が切腹し、この世を去りました。
秀吉の怒りを買い
切腹となった原因には諸説あります。
・わび・さびを重んじる利休に対して、
派手好みの秀吉と対立するようになった
・茶道具を高額に売り、利を上げていた
・秀吉が利休の娘を側室にと望んだことを断ったため
・大徳寺の山門に利休の木像を掲げた
等々
真相は今もなお大きな謎ですが
秀吉が、茶の湯を利用して
柔軟に諸大名を支配下とし、治安の統制を
はかるため登用した利休が
商人でありながら
大名以上に力を持つ存在となり
身分制度を確立していく段階において
不都合なものになっていったことも
大きな要因と考えられます。
2月27日 椿餅
椿餅
ご機嫌よろしゅうございます。
そろそろ和菓子屋さんで
「椿餅(つばきもち」が並ぶ頃になりました。
今日はその椿餅についてご紹介します。
「椿餅」は日本最古の餅菓子の一つで
「源氏物語」の若菜の巻上や
「宇津保物語」、「藻塩草」などにも
「つばいもちひ」の名が見られます。
椿餅といえば、椿の葉の間に
俵形の道明寺生地をはさんだもので、
道明寺は関東ではほとんど好まれていませんが
中に餡が包まれています。
2月頃の季節菓子としてよく目にしますが
昔は甘い小豆餡などはまだなく、
甘味は生地に甘葛(あまづら…つたの汁を煮詰めたもの)
を練って団子状にし、椿の葉で包んだもので
現在とは味もだいぶ異なった
ものだったのでしょう。
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映画 父は家元
金沢:シネモンド
上映時間
(1)10:15~(2)15:30~(3/8~15)
(2)10:15~(2)17:35~(3/15~20)
(1)18:00~(3/21)
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2月 26日 東風
一昨日ご紹介しました
道真公の歌に
「東風」とありました。
これは「とうふう」ではなく「こち」と読みます。
また「はる」とも読むそうで、
「東風」は、東から吹いてくる春の風という
意味になります。
五行説でいうところの春の方位が「東」であり
もともと「東」という字は
木立の間から日の登る姿を示したものだそうです。
実際の気象とは合致していないようですが
日本上空に居座っていた西高東低の気圧配置も
ようやく移動を始め、
東から春を呼ぶ風が吹いてきた…
日本らしい春の感じ方です。
いわゆる旧暦のことで
今年の旧2月25日は3月25日です。
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2月25日 天神茶会
ご機嫌よろしゅうございます。
昨日ご紹介しました菅原道真公は
学問の神様として大変有名です。
2月25日は道真公の祥月命日で
遠州公が道真公を大変有名崇敬していたことから
遠州茶道宗家では例年
この日に御自影天神供養茶会が開かれます。
床の間に菅公自筆と伝わる
御自影天神像が掛けられ、
法要の後、お茶をいただきます。
この天神像は、
小堀家に代々伝わる遠州蔵帳所載の掛け物です。
鎌倉時代に描かれており、
遠州公の依頼により江月宗玩禅師が
像の上に賛を追筆しています。
この天神様
法要が終わるとお顔の頬が
ぽ~っと赤らむと言われています。
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2月24日 東風吹かば
ご機嫌よろしゅうございます。 成趣庵の梅も見事な花を咲かせてています。 庭に立ち、今を盛りに咲き誇る梅を眺めていると 自然と気持ちもほころびます。
さて皆さんは飛梅伝説をご存知でしょうか?
901年(昌泰4) 時の右大臣であった菅原道真は、 藤原氏の陰謀により無実の罪に問われ、 大宰権帥に左遷させられてしまします。 そして都を離れる日が来ます。
幼い頃より親しんできた自宅の梅の木に、
東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春なわすれそ
と詠み、都を後にします。
すると主を想った梅が、一夜のうちに大宰府の道真の元へ 飛んで来たといわれています。
明日は天神茶会です。
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2月23日 官兵衛 茶の湯政道
ご機嫌よろしゅうございます。
本日大河ドラマ「軍師官兵衛」です。
桶狭間の戦いで今川義元を破った織田信長は美濃を滅ぼし、
永禄十一年(1568年)足利義昭を奉じて上洛しました。
三好三人衆を追い払って義昭を15代将軍の座に付け
政治の実権を握った信長は、名物茶道具の召し上げ
「名物狩り」を行います。
そして茶道具を、武功を立てた武将に分け与え
知行の代わりの褒賞としたのです。
土地には限りがあるので、茶道具に土地と
同様の価値を与えたところが信長の斬新さです。
また茶の湯を許可制にすることに
よって茶の湯を武将のステイタスにしたてあげ、
政治に利用していきます。
信長の武将たちは城一国よりも茶道具を望んだほどで
有名なのは滝川一益です。
彼はのちに、東地方の信長軍総大将となる出世を
しますが、領地より望んでいた小茄子をもらえず、
手紙のなかで「茶の湯の冥加は尽き候」
となげいています。
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2月15日に御家元がご出演なさった
福岡ラジオ
『めさーじゅブランチ 』の
放送内容が以下のURLでお聞きになれます。
http://contents.nasse.com/fuku_special/brunch/files/20140215/weekend03.php
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2月22日 光琳茶会
ご機嫌よろしゅうございます。
本日と明日、二日間に渡り
熱海MOA美術館で光琳茶会が開かれます。
この美術館には光琳屋敷と呼ばれる建物があります。
これは重要文化財である小西家文書(文化庁蔵)
の中に含まれる、光琳筆の図面や大工仕様帖等
の資料を基にして
MOA美術館内に復元された建物です。
ここで光琳が晩年「紅白梅図屏風」
を描いたといわれています。
この「紅白梅図屏風」は国宝に指定されており
毎年2月の期間のみ、
ここMOA美術館で観ることができます。
【告知】
福岡中洲大洋
大好評につき
映画 父は家元の上映が3月7日まで
延長が決まりました。
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2月21日 「雪間草」
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は昨日ご紹介した
「雪間の草」の和歌に因んで銘をつけられた
茶碗をご紹介いたします。
「丹波(たんば) 銘・雪間草」
こちらは
日経新聞・文化面の≪心に残る名碗十選≫
でご先代が紹介されています。
花をのみ待つらん人に
山里の雪間の草の春を見せばや
桜を待ち焦がれる人に、雪の間から芽生えた
草の息吹を感じてもらいたい
これを利休がわび茶の心としたということをふまえ
松平不昧がこの銘をつけました。
松平不昧は出雲松江藩の第7代藩主で、
茶の湯を愛好し、遠州に私淑した大名として知られた大名です。
遠州公は各地の国焼きを指導しており、
丹波もそのうちの一つです。
六古窯にも数えられ、古い窯の一つですが
茶碗はほとんど焼かれていないようです。
丹波では
「生野(いくの)」という茶入が有名です。
【告知】
本日をもちましてテアトル新宿での映画 父は家元の上映が終了いたします。
上映時間
(1)10:00(2)17:25
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2月20日 花をのみ
立春を過ぎ、暦の上では春…とはいっても
まだまだ厳しい寒さは続く日々
花の咲きこぼれる
麗らかな春を待ちわびてしまいます。
しかし
こんな春の感じ方も素敵ですね。
花をのみ待つらん人に山里の
雪間(ゆきま)の草の春を見せばや
藤原 家隆
花の咲くのばかり待っている人に、
山里の残雪の間に萌え出る、
若草の春を見せてあげたい。
利休が茶の心を表すのに
用いられた歌でもあります。
厳しい寒さの続く中
雪の間から、若く青い芽が顔を見せている…
静かな中にも内に秘める生命力を感じられる歌です。
【告知】
明日をもちましてテアトル新宿での映画 父は家元の上映が終了いたします。
上映時間
(1)10:00(2)17:25
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2月19日 雨水
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は2月19日
24節気の「雨水」にあたります。
立春から数えて15日目頃。
またこの日から啓蟄までの期間をさすこともあります。
空から降るものが雪から雨に変わり、
氷溶け始める頃という意味です。
また草木が芽生え
鶯の声もそろそろ聞かれる頃
農耕の準備を始める目安にもされてきました。
春一番が吹くのもこの頃とされています。
またこの日にお雛様を飾ると
よい伴侶に恵まれるとする言い伝えがあります。
暖かい春まで
あと少しです。
【告知】
雑誌「ひととき」4月号
3月20日(木)発売 定価390円(税別)
※家元のインタビュー記事が掲載されます。
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