遠州公縁の茶陶「薩摩焼」

2018-5-31

〇薩摩焼の陶工
ご機嫌よろしゅうございます。
司馬遼太郎の小説「故郷忘じがたく候」をご存知でしょうか?
薩摩焼窯元として代々続く窯元の14代沈壽官を描いた小説です。代々「沈寿官」の名を継承し、現在は15代目となる沈家ですが、その初代にあたる人物が慶長の役の際に連行された多くの朝鮮人技術者の中にいました。士族並みの扱いを受け厚遇されてはいましたが、200年の時を経てもその子孫は
「いまも帰国のこと許し給うほどならば、
厚恩を忘れたるにはあらず候えども、
帰国致したき心地に候……故郷忘じがたしとは誰人の言い置きけることにや。」
との想いを抱きます。その後も代々の当主は家業を守り続けます。そしてこの小説は韓国併合や太平洋戦争などの苦難の時代に家業を守り続けた13代と、14代の波乱の人生を題材にしています。重い歴史を背負い、自らの人生を真っ直ぐに進む姿に胸を打たれます。