椿

2013-11-8 UP

皆様ご機嫌よろしゅうございます。

本日は椿についてお話いたします。

 

≪季節の花:椿≫

椿は、日本には有史以前から、海流に乗って南方より渡来したといわれ、その時期や経路などは未だに不明とされています。

椿は他に「海石榴(かいせきりゅう)」、「海紅花」などの名を持っておりますが、「海」の字を冠せられることから、海外から上陸したことを表現しているものと思われます。

「やぶつばき」、「ゆきつばき」の二種を原種とし、大きいものでは10メートル近くの大木になるものもあります。

伊豆の大島や四国の室戸岬などがヤブツバキの名所としてよく知られております。

ユキツバキは新潟などの雪国の椿で、雪をかぶった姿は目の覚めるような色彩の妙をかなでます。

 

この二種を基とした自然交配や人工交配によって、「江戸」「中京」「京」「肥後」などの名花といわれる花々が生まれました。

茶の湯の世界では「炉」の季節、つまり11月~4月までの半年間、椿が茶花の主役を務めます。

炉を開いた始めの頃は、白玉椿など白椿を主に用います。

重陽の節句

2013-10-13 UP

皆様、ご機嫌よろしゅうございます。

本日は旧暦で9月9日、『重陽の節句』です。

なので本日は菊についてお話いたします。

 

≪花:菊≫

重陽の節句で見られる着せ綿。

菊の花に染料で染めた真綿を着せたものであり、宗家道場でも先月生けられていた。

平安時代の貴族より習慣があり、菊の露が染み込んだ真綿で体を拭うと、無病長寿となるとされていた。

菊は古くから日本人の習慣や、景色の中に深く溶け込み、江戸時代になるとさらに多くの品種が改良され、品評会なども多く行われた。

ちなみに世界には2万種ほどの菊があり、その点を見ても、いかに人間が菊を好んでいるかがわかる。

また食べ物としても知られ、和え物や天ぷら、団子など様々な調理方法がある。

現在でも国会議員の議員記章や、パスポートなどに菊が用いられ、最も身近なところでいえば50円玉であろう。

本日は菊の節句、重陽。

ふと気づくと、道端に野菊が意外と咲いている。