お問い合わせ

茶の湯にみる文様

ご機嫌よろしゅうございます。

6月 5日は二十四節気の「芒種」
田植えの時期がやってきました。
そして5日から10日までの七十二侯は
「蟷螂生ず」
「蟷螂」とは「かまきり」のことを表します。
蟷螂は作物を荒らす虫を補食する益虫であり、
稲作が生活の中心となる弥生時代の銅鐸の文様にも
描かれています。
中国の故事に多く登場する蟷螂
『荘子』の「人間篇」には
蝉を狙う蟷螂、その蟷螂を狙う鵲、そしてその鵲を
とろうとする荘周。
己の利しかみえず危険に気づかない自分を恥じ、
弓を落としたという話があります。
また『淮南子』の「人間訓」や『韓詩外伝』には
斉の荘公の乗る車に対し、果敢にもその斧を振り上げる
蟷螂の姿に、人間であれば必ずその名を天下に
轟かせたであろうと、その蟷螂をさけて車を通ったという
話も。退くことを知らず、前に進むのみの蟷螂の姿から
弱い者が、自分の能力をわきまえず、強い者に
立ち向かうことを表した四字熟語として「蟷螂の斧」
と言いますが非力な者でも、ときによっては強敵に
身を捨てて立ち向かわなねばならない時がある
という意味で肯定的にも使われます。
この故事にになんで車軸釜の鐶付には、蟷螂の鐶付が
ついているものもあります。
また、東京国立博物館所蔵の「色絵 月に蟷螂文茶碗」
は、江戸時代の永楽保全作で、こちらに向って
草につかまり、鎌を振り上げる蟷螂は愛らしくもあります。

遠州流茶道連盟
遠州流茶道連盟