膳所光悦茶碗
2019-3-25 UP
本阿弥光悦が遠州の指導を受けて作ったといわれる茶碗「膳所光悦」。この茶碗は寛永十三年(1636)徳川三代将軍家光公を迎え、遠州公が品川林中に新しく完成した御茶屋披露のときに使用されたものです。半筒型をした本焼きの茶碗で、楽焼の柔らかい土で発揮された光悦の箆さばきが膳所の硬い土をもっても冴えている点は見事です。
本阿弥光悦は、遠州公の注文により遠州好みの茶陶器を多く制作しており、膳所の土を用いて作ったことからこの名前がつきました。将軍献茶の茶会に用いられた「膳所光悦茶碗」二碗で、遠州公ののち馬越恭平の蔵となったものとMOA美術館に所蔵されているものが伝来しています。
