近江孤篷庵
江戸時代前期、遠州の菩提を弔うために、二世宗慶が京都大徳寺から円恵禅師を招き、開山した臨済宗大徳寺派の寺です。遠州が京都大徳寺に建立した孤篷庵にちなみ、「近江孤篷庵」と称しました。小堀家の菩提寺でしたが、江戸時代後期に小堀家の改易とともに衰え、明治維新後は無住のまま荒廃していました。その後、昭和40年(1965)に小堀宗泰(そうたい)和尚が再建し、遠州好みの庭も同時に補修・整備されました。
庭園は、本堂南側にある簡素な石組の枯山水と、東に面した池泉回遊式庭園があり、県の名勝に指定されています。自然の地形を生かした趣のある設計で、近江八景を模したものともいわれています。春にはツツジ、秋には紅に染まる萩が美しく彩ります。
参道から脇にそれた山の中腹には、上から小堀家七代をはじめ、重臣や家臣、名もなき家来まで、小堀家ゆかりの人々の墓が静かに佇んでいます。寺の北には、小堀家の居城であった小室城跡が残っています。



