瓢箪(ひょうたん)

2014-4-18 UP

遠州公の好んだ形「瓢箪」について。薩摩の窯に注文して焼かせた「甫十瓢箪」と呼ばれる茶入をはじめ遠州公は瓢箪の形をとても好みました。これは禅の教えとも関係があります。水に浮かべた瓢箪は上から押すと、一度は沈みますが、手を離すと別の場所にぽこっと浮かんできます。

「至りたる人の心は
そっとも(少しも)ものにとどまらぬことなり
水の上の瓢を押すがごときなり」

相手の心に逆らうのではなく、素直に意に従いしかも自分の心というものは決してまげないという「瓢箪の教え」からくるもののようです。茶道具の他に、文様や透かしにも瓢箪を多く用いています。