薩摩甫十瓢箪茶入 銘「楽」 中興名物

2017-11-20 UP

遠州公が自身の茶会で薩摩焼の茶入を使用した記録が寛永五年(1628)、遠州公49歳の9月14日朝にあります。また、遠州公が指導した薩摩焼として有名なのが、「甫十瓢箪」と呼ばれる瓢箪形茶入です。遠州公の号である宗甫と、数の十個にちなんで、「甫十」と呼ばれています。現存が確認されているものは数点で、甫十瓢箪の一つである銘「楽」や「玉水」が有名です。茶入の底に「甫十」の彫銘があり、瓢箪形の耳付小茶入であるとされています。耳の代わりに茶入の胴の二方に小堀家の家紋である七宝輪違い紋があります。