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8月26日(金) 能と茶の湯

8月26日(金) 能と茶の湯
「止動方角」

ご機嫌よろしゅうございます。
連日残暑の厳しい日が続きます。

今日は茶の湯が登場する狂言をご紹介します。
「止動方角」
題名を聞いただけでは、なんのことやらさっぱり
わかりません。これはお話に登場する馬を
沈めるための呪文の言葉の一部からとっています。
ではあらすじをご紹介しましょう。

昨今流行している茶の湯。
これをやりたいが道具を何一つ持っていない主人
ある日太郎冠者を呼び出し、裕福な伯父の家へ行って
茶道具と、格好をつけるため馬と太刀を
借りてこいと仰せ付けます。
「茶も持たずに茶比べなどせいでもよいのに」
愚痴をこぼしながら、しぶしぶ叔父のもとに
借りに行った太郎冠者。
そこで借りた馬は咳をすると暴れ、
「白蓮童子六万菩薩、鎮まり給え止動方角」
と唱えると鎮まると教えられます。
待ちかねた主人に叱られ、腹いせに咳をして
主人を落馬させるのでした。
馬は暴れながら橋掛かりの方へ走っていき、
二人して待て待てと追い掛けて退場します。

「茶をもたずに茶比べなどせいでもよいのに」
という太郎冠者の言葉からもわかるように
この狂言の作られた時代は、現在の茶の湯の
スタイルとは若干異なり「茶比べ」
つまり「闘茶」であったことがわかります。

遠州流茶道連盟
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