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転合庵

ましわりの昔もいまもかはらぬは
み屋ひこころのあへるなりけり

この歌は有栖川熾仁親王の御歌で、遠州公が桂宮智仁親王から拝領した茶入「於大名」に添えられています。
この茶入を披露するために京都伏見・六地蔵に建てられた茶室「転合庵」は、現在東京国立博物館に移築されており、茶入も同館に所蔵されています。建物は木造平屋建て、切妻屋根・瓦葺きで、茶室は二畳台目の向切席に台目床を備え、別に四畳半の席も設けられています。

明治11年(1878)、京都・大原の寂光院に伝わっていた転合庵を、渡辺清(福岡県令・福島県知事・男爵)が譲り受け、東京麻布区霞町へ移築しました。その後、日本郵船の重役で浮世絵コレクターとして知られる三原繁吉へ所有が移り、さらに三共株式会社(現在の第一三共)の創業者である塩原又策へと渡りました。昭和38年(1963)、塩原又策の妻・塩原千代によって、茶入とともに東京国立博物館へ寄贈されています。

東京国立博物館には、このほかにも遠州ゆかりの道具が多数収蔵されていますので、ぜひ併せて鑑賞したいものです。

所在地 東京都台東区上野公園13-9 東京国立博物館庭園内

転合庵
転合庵

遠州流茶道連盟
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