茶の湯にみる文様「波文様」②

2017-9-1 UP

波の文様についてのご紹介を致します。波の上ではねる、鯉のような魚の描かれた図柄、これを「荒磯」とよんでいます。荒磯裂と呼ばれる名物裂には、有名な荒磯緞子がありますが穏やかな水流と優しい魚の姿をしています。一方、緞子に比べると知名度の低い荒磯金襴の水流と魚形は、激しさと厳しさを持ち、それぞれの裂地の生まれた土地柄や民間伝承を反映してできた違いと考えられています。ちなみにこの荒磯緞子ですが、遠州公がこれを好んで茶入の仕覆としたことから、更に人気が高まったと言われています。
この仕覆の添う茶入は
中興名物 高取鮟鱇茶入「腰蓑」
瀬戸春慶「春慶文琳」
瀬戸金華山大津手本歌「大津」
丹波耳付「生野」
があります