東海道旅日記「下りの記」10月15日『富士の山』

2022-2-18 UP

富士の山にむかう途中、江月和尚からいただいた
一偈の一、二句目が脳裏に浮かぶ。

  東行斯日巳初冬
  為雪吟鞭指士峯


とあり、つくづくと山を見てみれば、真白い雲が群れて雪の色を奪おうとも、また遮ろうとても、その雪の白さにはかなわない。すそ野をめぐる高嶺の煙は、風にまかせてたなびいている。何か言おうと思うけれど、言葉は雪のように消えてしまい、ただただ茫然と佇むばかり。

つげやらん ことの葉もなし 
年経ても まだみぬふじの 雪のあけぼの

と詠めば、傍らの人

 ふじいづこ 雪にゆづりて やまもなし

と続ける
この山に心をよせて時がたち、吉原の里に留まり一泊。

山開き

2014-7-3 UP

7月 3日 山開き

ご機嫌よろしゅうございます。

例年7月1日には富士山の山開きがされ、
登山愛好者の待ちに待った登山の解禁となります。

昨年、世界文化遺産認定で話題となりました富士山ですが
かつてはそれ自体が御神体であり、多くの行者が修行する
信仰の山でした。

江戸時代には富士講と呼ばれる信仰が庶民にまで広がり
参拝登山するようになりました。
白装束に身を包み、「六根清浄」と唱えながら登ります。

その山開きが
残雪などを理由に
今年から山梨側、静岡側の登山ルートで開山期間が異なり、
静岡側が7月10日からとなることが決まったそうです。

同じ山なのに登る場所によって
山開きの日が異なるとは
なんだが不思議な気がしませんか?