「東海道旅日記」下り 三保の松原

2022-3-18 UP

遠州が、霧間に目をやった三保の松原には、

約7キロに及ぶ海岸線に美しい松林が続き、

この海越しに臨む富士の山と共に

古くから絵画や和歌に詠まれてきました。

この地に伝わる羽衣伝説を題材にした

謡曲「羽衣」でも知られています。

三保の松原から御穂神社につづく、

「神の道」と呼ばれる並木には

途中、兼好法師といった著名人の、

三保の松原にちなんだ短歌や文章が

記された立て札があります。

ここに、小堀遠州の歌

  東路の いづらにあれど 清見がた

      霧間に浮かぶ 三保の松ばら

も記されています。

「東海道旅日記」下り 汐焼く海女

2022-3-4 UP

田子の浦では、海女が汐を汲む様子が記されています。

「塩焼き」は田子の浦の名物でもあり、

和歌にも絵画にも多く取り上げられています。

古くは海藻に海水をかける「藻塩焼き」

とよばれる方法が使われていましたが、

やがて、砂を利用して濃い海水を採取し

煮詰める方法が生まれました。

葛飾北斎の『冨嶽三十六景』の中に

「東海道江尻田子の浦略圖」があります。

手前の海には漁師らしき人物が船上で漁をし、

奥の浜には塩田が広がり、

大勢の人が塩づくりの作業をしています。