2月26日(金)能と茶の湯

2016-2-26 UP

2月26日(金)能と茶の湯
「尾上釜(おのえがま)」

ご機嫌よろしゅうございます。
先週に引き続きまして「高砂」に
ちなんだ茶道具をご紹介します。
今日は「尾上釜」です。

播磨(兵庫県加古川)尾上神社所蔵の朝鮮鐘
(ちょうせんがね)を形どって作った釜で
あることから「尾上」と名付けられ
五郎左衛門作と極められています。

鐶付が獅噛、共蓋に竜頭のつまみが通常の作りで
蓋裏に「尾上の鐘」の文字が鋳出してあります。

胴の正面に「播州」と「高砂」、
裏側に「尾上」の文字を鋳出しています。
能「高砂」では、竹さらいと杉箒を持った尉と姥が
囃子にのって静かに歩み出て、橋掛りで
向かいあい、

高砂の松の春風吹き暮れて
尾上の鐘も響くなり

と謡います。

2月12日(金)能と茶の湯

2016-2-12 UP

2月12日(金)能と茶の湯
「染付高砂花入」

ご機嫌よろしゅうございます。
先週は「高砂」のご紹介を致しました。

この「高砂」にちなんだ道具でよく
知られるのが、
「染付高砂花入」です。

図柄と形が大変インパクトのある花入で
花入の首の裏表に描かれた二人の人物が
尉(じょう)と姥(うば)に見立てており、鯉耳のついた
砧型をしています。鯉も日本では
祝意を表すものとして好まれます。
肩には蓮弁文、胴部分に水藻文が施されて
いて、この手の類のものは「高砂手」と
呼ばれています。

日本以外にはこの手のものが見当たらないこと
から日本からの注文品と考えられ、
本歌は中国・明代末期とされています。

2月5日(金)能と茶の湯

2016-2-5 UP

2月5日(金)能と茶の湯
「高砂(たかさご)」

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は「高砂」についてご紹介します

平安時代前期の延喜(えんぎ)の頃。
都を見物しようと九州からのぼってきた友成一行は、
高砂の浜辺に立ち寄り、松の落葉を掃く老夫婦に
出会いました。
老夫婦は相生(あいおい)の松のいわれについて、
高砂の松は『万葉集』、住吉の松は『古今和歌集』
をあらわし、歌が盛んに詠まれ世の中が
平和であることを象徴する松なのだと語ります。
そして我ら夫婦は、それらの松の精なのだと
正体を明かし、住吉で待とうと告げて小舟に
乗って姿を消します。友成らが月夜に船を出し、
住吉の浜辺にやってくると、西の波間から
住吉明神が現れます。明神は長寿をほこる
松のめでたさを称え、さっそうと舞を舞います。
澄んだ月明かりのもと、舞につれて、
松の梢に吹き寄せる心地よい風の音が聞こえ、
明神は平和な世を祝福するのでした。
(※日本芸術文化振興会参照)

「高砂」は、祝いの曲として広く知られ、今でも
祝言やおめでたい席でうたわれます。
次週はこの「高砂」に関連した茶道具を
ご紹介します。