月見草(つきみそう)

2014-6-19 UP

6月19日 月見草(つきみそう)

富士には月見草がよく似合う

太宰治の「富嶽百景」にある一節です。
日本一といわれる富士の姿に、
はかなげな月見草の美しさが対比されて美しい風景が
頭に浮かびますが、
作中では金剛力草と書かれ、黄色い花となっています。
実際の月見草は白い花で、この「富嶽百景」に
登場するのはオオマツヨイクサかマツヨイクサではないかと
植物学者は推測しています。

6月のこの頃に咲き出す月見草。
自らの姿を、富士という雄々しい姿の前にはかなくも美しく
咲くこの花になぞらえたとも読めます。

6月13日に玉川上水に入水自殺した太宰治は
奇しくも誕生日である19日に遺体が発見され、
以後6月19日を「桜桃忌」として
墓所のある禅林寺(三鷹市下連雀)で法要が行われます。
現在でも多くの方が、この桜桃忌に参拝に訪れます。