東海道旅日記「下りの記」

2021-2-26 UP

ご機嫌よろしゅうございます。

忙しいとき、つい近道と思って行った道や片手間にやってしまったことが、
かえって時間を食う結果となることがあります。
そんなときのいましめに「急がばまわれ」という言葉が浮かぶでしょう。

室町時代の連歌師、宗長が詠んだ

武士(もののふ)のやばせの渡り近くとも
 急がばまわれ 勢多の長橋

という歌が、「急がばまわれ」のことわざの発祥であると
江戸初期の僧、安楽庵策の記した『醒睡笑』に紹介されています。
東海道を進むには、矢橋のから船で向かう方が早いけれども、
天候によっては危険をともないます。
少々遠回りではあっても勢多の長橋から行った方が安全だということで使われたようです。