東海道旅日記「下りの記」 10月11日 訳文

2021-9-10 UP

11日 

熱田を夜深くに出発。

鳴海にはところどころに干潟が残り、

海面に月の映る様子は、「田毎の月」

のように美しく思われた。

けれども調子が悪いので駕籠にのる。

うとうとと夢を見ているうちに尾張の

さかい河を渡って夢からも覚める。

しばし休憩して三河の国の池鯉鮒(ちりう)

というところに到着した。

しばし休んでから、岡崎を過ぎて藤川に到着。

此処を夜更けに出発し二村へ。