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茶の湯日記
「見立て」「好み」の魅力
夏真盛りである。今年は本当に暑い。暑さには比較的強いはずの私も閉口している。
点法をする時でも今迄あまり汗をかかない方であったが、今年ばかりはそうもいかず、
見苦しくならないように常よりも気を遣う毎日である。
過日、鳥取支部創立六十周年記念行事のために鳥取に出張した。鳥取は池田家と遠
州の時代から縁が深かったがその後、一時期は宗家との間に交流がなくなっていた。
昭和十八年、祖父其心庵宗明と祖母宗吟が当時の鳥取地区における遠州流関係者の招
きにより訪問され、再び宗家との関係が再開したのであった。十八年といえば、戦争
の際中でもあり、何ゆえ祖父母が鳥取に旅立ったかは定かではないが、それだけに強
い縁故を想像させるのである。
私自身も平成十三年以来の出張となり、三日間、支部員との交流につとめたが、こ
れを期により一層の飛躍を期待するばかりである。
さて、本号が発刊される頃には、もう終了してしまっているが、今年も東京のオゾ
ンにおいて行われる「オゾン夏の大茶会’04」に参加協力をした。昨年は、私の好ん
だ「天籟」が好評であった。この天籟は、福岡支部担当の全国大会の際に使用された
もので、全体が銀仕上げとなっている。制作費もかなりのものであったが、銀のもつ
神秘的な輝きが最大の魅力である。
今年は、夏の茶会ということで、私の新しい「好み」と「見たて」をテーマに全体
を構成してみた。夏は当然の如く暑いので、あまり格式ばった道具の取り合わせでは、
よけいに堅苦しくなる。清涼感、爽快感を第一に考え、あまり難しくない道具組で一
服差し上げましょう、という事を中心においた。
そこで、新しい好みとして銀河釉という今まで茶の世界ではなかった釉薬を用いる
中尾哲彰氏に涼しさや宇宙的なイメージを持つ茶道具を、切形を出し製作してもらっ
た。これから始まったばかりのものではあるが、遠くで見るとガラスのようにも見え
るような出来になったと思っている。
一方、見立て道具は、私が海外渡航のおりに見つけた物を中心に取り合わせた。フ
ランス、オランダ、スウェーデン、インド、アメリカ、イタリア、ミャンマー、シン
ガポール、ベトナム、中国、韓国などの器の数々である。見立てはそれをする人の好
みがかなり反映されるものである。従って今回は、私がそれこそ好きなものを出品す
るのであるから、私自身が見られてしまう、とも考えている。いずれ皆様からのご批
評をいただきたいと思っている。
「見立て」や「好み」は、茶の湯の楽しさに通じる大いなる魅力の一つである。遠
州公はまさにその道の第一人者であった。私たちもその心を探り、さらに自分自身の
茶心を深め、少々の遊び心も加味し、茶の湯をより一層豊かにしてゆきたいものであ
る。
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