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茶の湯日記

 スポーツと私


  この夏は当初の予想に反して、全国的に冷夏となった。心配された電力不足の件は一 応解消されたようであったが、一方で米や野菜の収穫に影響がでてきそうである。

  秋といえば実り、文化、芸術といった事が頭に浮かぶ。そしてやはり秋はスポーツで ある。秋晴れの空の下、体を動かすのは実に気持ちが良いものである。

  小さい時から剣道を中心にスポーツに親しんできた私も、最近は忙しさにかまけて運 動不足である。明日から始めようと心に決めても、当日になると昨日の疲れが残ったと か、今日は大事な行事があるとか、取るに足らない理由をつけては中止する。あるいは 、雨空をみて密かに安心したりする。

  こういったことが人間の心の弱さである。何事につけても行動力、実行力の無い人と いうのは、多かれ少なかれ、似たりよったりの様々な理由をつけては物事をしない事が 多い。しかし、それを一旦打ち破ってしまえば、実は何でもない事なのである。朝起き て顔を洗ったり、歯を磨いたり食事をとったりするのは、もう無意識の反応である。そ れと同じようにしてしまえば楽になる。

  そういう訳でこの夏から私も久し振りに、毎朝家の周辺をウォーキングを中心に体を 動かしはじめた。学生の頃、毎日使っていた筋肉はすっかり眠ってしまっていて、そう 簡単には目を覚ます事はできない。しかし、日を追うたびごとに徐々に動き始めている ようだ。

  それにも増して何よりも気分が良い。また今日も休まないでできたという、さ細な喜 びがある。そのうちそれも無意識の反応になる事を願ってはいるが。

  また朝食がおいしく食べられる。ご飯がおいしいというのは、精神と肉体のバランス が良い事の証明でもあり、何に対しても感謝の気持ちが自然に湧いてくるようである。  そんな気持ちを持続して一日を過ごせれば、おいしいお茶が点てられたり、素晴らし い仕事ができる。その点では、まだ自分自身の未熟というか、不完全な所があるので充 分とはいえない。しかしいつしかそうなりたいと願いながら体を動かすのである。

  よく健全なる肉体には健全な精神が宿ると言うが、まさしくそうである。スポーツの 世界では昔から、心技体が充実する事が大切である、と言われている。しかしこれは決 してスポーツのみの事ではなく、日常生活にも、そして私たちが学んでいる茶の湯にと っても重要なことである。


[小堀宗実]    [HOME]

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