不傳庵 茶の湯日記
新しい年をむかえて
遠州茶道宗家十三世家元 小堀 宗実
平成二十四壬辰(みずのえたつ)歳を、無事に迎えられた事と思います。
さて私の家、遠州茶道宗家は、先代紅心宗慶がいない初めての年を迎える事となり、例年とは、異なる年始めとなります。
従って今年の一月は、今までとは違う様々な事を行うようになります。二十三年末の歳暮や除夜釜の茶家としての行事は、しっかりと継統しつつも、本年は三ケ日の福茶行事も、例年のような形では行いません。三ケ日の祝膳も今年ばかりは控える事になりますので、昨年末から家内や母等と相談していつもと違う新年の迎え方をあれこれと探索しています。
十日からは、「稽古照今 点初め」の儀を行います。その準備に関しても、例年とは少々異なる飾り付けやしつらえとなるべく、いろいろ考えています。
私達のような家は、常に相変わらず、するべき事はきっちり守り受け継いでいくという事が基本ですので、毎年毎年のその現状、世の中の変化を捉えつつも不変のものは昔どおりしていくというのが大切であり、また仕事でもある訳です。従っていつもと違うようにするという事、いわば今年だけが例年とは趣きが異なるという方が、難しいというか工夫が必要になってくるのです。
そういう意味で、本年の一月の諸行事のあり方は、私にとっては、とても大きな意味を持つと言えます。点初めにご参会いただく方々は、そういう思いを是非感じていただければと思っています。
昨年は、東日本大震災に象徴されるように、日本にとっては一大転換期になった年でした。
今年は、暗雲を突き破り、登竜門の故事にあるが如く、上昇思考で一年を過ごせるように皆様と共に歩みたいと思っています。

HOME