8月25日(金)茶の湯にみる文様「青海波」

2017-9-1 UP

ご機嫌よろしゅうございます。これまで波の文様を
幾つかご紹介してきました。
今日は「青海波」のお話をしたいと思います。

「青海波」は同心円を幾重にも重ねた波文で、

ペルシャ・ササン朝様式の文様が中国を経由して

伝播したといわれています。

唐楽から伝わった雅楽の舞曲「青海波」で舞人が、

この形の染文の衣装をつけて舞うのが

名前の由来と言われています。

元禄の時代に勘七という漆工がこの波形を刷毛で

描くのを得意とし、大いに流行したため世間で

彼を青海勘七と呼びました。

名物裂では本能寺所伝とされる本能寺緞子や三雲屋緞子

織部緞子などがあります。

本能寺緞子は二重の青海波に捻り唐花と8種の宝尽しの図柄で

大名物油屋肩衝の仕覆として

三雲屋緞子はその色替りとされる裂で中興名物の「染川」や
「秋の夜」の仕覆に。また織部緞子とも呼ばれる
青海波梅花文緞子は大名物の松屋肩衝にそっています。