お彼岸

2013-9-25 UP

皆様、ご機嫌よろしゅうございます。

明日の26日でお彼岸が明けます。
昼夜の時間が同じになるこの時期は、この世とあの世が繋がりやすいとされ、ご先祖様にお供えしたり、お墓掃除をしたりする期間として、又は季節の変わり目として、古来から重要視されてきました。
ちょうどこの時期に彼岸花が咲きはじめます。
道端にも突然生えていることも多く、目にしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

彼岸花はとても変わった成長をします。
まず一夜にして地上へ茎が突出、すぐさま花が咲き、終わる頃に、やっと葉が出てきます。
普通の草花とは逆の順序をもって、成長するのです。
そのため、「イチヤニョロリ」、「ハヌケグサ」、「ハミズハナミズ(葉見ズ花見ズ)」、「ステゴバナ」といった別名が無数にあります。
また、この花は有毒成分も持っており、昔の人が口にしてしまった体験から「シタコヂケ」、「シタマガリ」、「シビレバナ」など、摘んではいけない、という注意を喚起する名も多く付けられています。

しかし、毒を持ってはいますが、田畑や畦道には多く植えられ、飢饉の際の救荒植物として大切に育てられていました。
水に晒し、毒を消した後に食していたようで、そのためにみだりに子供たちに荒らされないように、上記の危険な名を付けたとも考えられます。

宗家道場の近くにある若宮神社の辺りにも、今月の初めに一夜にしてニョロリとその身を現し、深紅の六辺の花弁を美しく咲かせていました。