遠州公ゆかりの茶陶

2018-4-25 UP

上野焼の特徴と遠州好

ご機嫌よろしゅうございます。
細川忠興は千利休の弟子の中でも「侘茶」
の忠実な継承者でした。
その流れを受けて焼き締め調の施釉や
直線的な造形にみられる道具の選び方にも
遊びを最小限度におさえた武人としての
「侘茶」がうかがえます。
また同時期にお茶堂として招かれた千道安の
指導も考えられます。尊楷の作は素朴で重厚であり、
朝鮮唐津や斑唐津、古高取に似ています。
そしてその野趣溢れる大胆な作風が時の流れとともに
釉の変遷を重ねていき、次第に豊かな装飾の美しさを
加えていきます。
遠州が指導した記録はありませんが、
古来より遠州好みの窯の一つとして数えられています。
小笠原家に代々伝わる道具には土見せの瀟洒な瓢箪茶入が伝わり、
他にも権十郎蓬露の「あがのやき 瓢箪」と箱書きのつく
茶入などがつたわって「綺麗さび」の好みの影響がうかがえます。