花 花海棠 玉手箱椿 花入 志戸呂 水盤
四月になると、我が家の裏庭に花海棠が美しく咲き乱れます。母が好んで植えた木 で、毎年咲くたびに、「この花は使えないものか」と私に尋ねられていましたが、実 際にはなかなか茶の湯の花にはなりにくいので、使うことなくいつも眺めるままにし ていました。 ある時思い立って、母の思いを叶えようとしたのがこの花です。水盤に一ひらの花 びらが浮かび、あたかも桜の花見を想起させます。 花留は、釣釜や透木釜の炉の名残の季節に、席中から姿の消える五徳の形をしてい る蓋置を用いました。 根締めに自庭の玉手箱椿を用い、葉の一枚の先を水面にふれさせるようにしていま す。